全粒粉やライ麦粉など厳選した粉を、
日本人の口になじみの深い「麹(こうじ)」と、
自家製天然酵母を使って元種をつないでいます。
職人の手で捏ね、カタチをとり、
手づくりの石窯で焼き上げます。
カタチこそ無骨ですが、滋味深い味わい。
毎日の食卓で食べていただけるよう、
安心で安全なものを使うように心がけています。
「麹」菌は、人にとって有用な微生物の中で、
最も分解するのに優れた菌です。
時間をかけ熟成させた生地は、「麹」、
酵母が持つほんのり甘みのある味わいが楽しめます。
DANJIのBROTは、アトリエからほど近い
Café Froschで販売しています。
石 臼 Stone mill
厳選した国内産ライ麦、
又はドイツ産有機ライ麦(ポストハーベスト農薬の用いられていない安心なもの)を、
自家製粉(一部)しています。
低速回転の石臼で、温度を上げずにゆっくりと丁寧に
麦を挽いています。
それにより、風味、栄養素をしっかりと残した
パンになります。
ここ西陣は、昔から西陣織の職人が暮らす町でした。
ご近所から使われなくなった手機織り機を譲り受け、
それを解体、職人のまちに敬意を払って、
石臼に纏(まと)わせました。
古材に刻まれた、一本いっぽん、糸が通った痕跡。
機(はた)を織った職人の記憶。そこに一粒ひとつぶ丁寧に麦を挽く、石臼の姿を重ね合わせます。
回転する石臼の、単調でひたむきな円運動。
麦の粒が落ち、石臼と擦れ合い挽かれる音に、日々、生命(いのち)の廻(めぐ)りに触れる、
慎ましい喜びを覚えます。
石 窯 Brick oven
京都の古い町家をリノベーションし、その中に手製の
石窯を備え付けて、パンを焼いています。
煉瓦に熱を加え、ゆっくり時間をかけて蓄熱させ、
余熱で焼き上げます。
押し上げてくる熱に蒸気を加える事で、
表面の皮は薄く、中はしっとりとした
仕上がりになります。
自らの手で煉瓦を積みあげ、鉄を切り、溶接し、
温度を確認できるよう回路を組み、
つくった愛着のある相棒。
不恰好でじゃじゃ馬な石窯と、日々、対峙する事で、
心が鍛えられ、今日より明日と、
こころざしを深めます。
この石窯から産まれるのは、
焼きムラのある無骨なモノ。
しかし、噛むほどに味わい深いパンです。